人事部の女神さまの憂い

巧が尊敬する事務所の所長さん。へたなこと言って柏木さんに迷惑をかけるわけにはいかないし、巧の憧れの気持ちに水をさしてもいけない。どう答えればいいかなと迷って

「ご飯連れてってもらったり仲良くはしてもらってたんだけど、忙しいのもあって全然会ってないよ」

伝えられる事実だけピックアップした。

「そうなんだ。たしかに柏木さん、上海の方に力入れるって出張ばっかだしな。付き合ってるんだと思ってたんだけど」

「うーん。私は素敵だな、とか憧れ?みたいなのはあったけど、巧も言ってたじゃん。柏木さんが私なんか相手にしないよ」

「ふーん。まぁ、いいけど。でも正月帰ったときも母さん本気で心配してたよ。いい年なんだからフラフラしてないで、ちゃんとしたら?」

そう言われてカッとしてしまった。巧の言葉に腹が立ったんじゃなくって、本当に自分がフラフラしてたんだってことが言い当てられたようで居たたまれなくなってしまったから。

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