人事部の女神さまの憂い

とりあえずシンハ―ビールで乾杯をして

「出張お疲れ様でした」と言うと、プッと噴出して笑われた。何かおかしなこと言ったかな、首をかしげると

「こんな時まで、ゆりちゃんは。ほんと、いい子だよね」

言葉だけ聞くと褒められてるはずなのに、全然そんな感じがしない。むしろちょっとバカにされているような言い方に落ち込んでしまった。

アラサーの私にとって「いい子」なんて誉め言葉でもなんでもない。

きっと柏木さんは私がだした宿題の答えもわかっているはず。
バカだな、ほんと。思わずため息を漏らすと

「ごめん、ごめん。とりあえず、まずは美味しくご飯食べようよ。答え聞くのは、その後でいいでしょ」

明るく言ってくれた柏木さんには感謝しかない。それからご飯を食べながら、最近手掛けている設計の案件の話とか、出張先の面白いお店の話とか、今までみたいに話してくれて、私の仕事の話も聞いてくれた。


< 413 / 471 >

この作品をシェア

pagetop