人事部の女神さまの憂い

こうやって心から楽しそうに仕事について語る目が好きだったな、とか。

大きくて、ちょっとゴツっとした手に撫でられるのが好きだったな、とか。

私の話を真剣に聞いて、さりげなく一言をくれるのも、心がもってかれるよね、とか。

柏木さんの好きだったところを1つづつ思い出していた。


やっぱり私はこの人に恋してたんだなって。

「柏木さん。私、柏木さんに恋してました。一緒にいられるのが嬉しくて、すごい好きだなって思ってました」

そこまで言うと「思ってました、か」と言葉にだしたものの、続けて、と視線を送られた。

「柏木さん、すごく素敵で、吸い込まれるように好きになって。柏木さんが言っていた”欲しいもの”とか”好き”の意味が正直よくわかんなかったんです。こんなに好きなのに、って。柏木さん何であんな意地悪言うんだろうって思ったり。でも、ようやくわかったんです。地に足がついてなかったって。背伸び、じゃなくって、なんて言うんだろう、フワフワ浮いてる感じで、自分でちゃんと柏木さんに向き合って近づけてなかったなって」

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