人事部の女神さまの憂い

「柏木さん、応援してます」

精一杯の笑みをつくってそういうと

「俺も。ゆりちゃんのこと応援してるよ」と返してくれた。


頑張ってください、でもない。

今までありがとうございました、でもない。

ましてや、さようなら、でもない。


きっと「応援してる」が一番今私が伝えたいことを表している言葉。

柏木さんがどうであれ、私は柏木さんの夢がかなうことを応援してる。かつては柏木さんの私への気持ちが信じられなかったけど、柏木さんの夢がかなうことは信じられる。ベクトルの向いている方向は違うけど成功を願う、そんな存在。



こうして私の久々の恋は終わった。

そして残ったのは、素敵な人に出会えたなっていう、すがすがしい気持ちと
どうにもならないけど気付いてしまった自分の気持ちだった。

< 417 / 471 >

この作品をシェア

pagetop