人事部の女神さまの憂い

メイクを落として、コップに2つ並んだ歯ブラシを見てもう一度切ない気分になってリビングに戻ると、出してきた布団を広げて不満そうにしていらっしゃる暴君が1名。

今度は何だとめんどくさくなって視線を送ると

「敷布団は?」と聞かれた。

「かさばるから掛けるのしか置いてないんですよ。ソファーで寝てください」

「このソファで俺が寝るの?無茶あるだろ」

「巧、いっつもそこで丸まって寝てますよ」

「俺と巧じゃサイズが違うだろ。身長違うし、あいつは線細いからいいかもだけど」

ほら見ろ、とソファに横たわった様子を見て確かに縦にも横にもはみだしまくってる。

「じゃあ、もう1枚毛布貸すんでそれでも下に引いて寝てください」

仕方ないので、これで勘弁してよと思っていると

「俺が風邪ひいたらどうすんだ」

更に文句をいってくる始末。眠いのものあって、ちょっとイラッとしながら

「じゃあ家帰って寝ればいいじゃないですか」

と言うと、すごい勢いで睨まれた。

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