人事部の女神さまの憂い
やばい、怒らせたと思っていると
「もういい。寝るぞ」
ズカズカと寝室に入っていく藤木さん。気が付いたらさっきの掛け布団をもったまま私のベッドに寝ころんでいる。
「えー私がソファですか」
明日にそなえてゆっくり寝たかったのに、と思っていると
「お前もここで寝ればいいだろ。前も一緒に寝たじゃないか」
と言い始めた。そういえばインフルエンザの時、添い寝してもらったんだと思い出して赤くなってると
「ほら、電気消してこい」やっぱり決定事項。
電気を消したはいいけど、藤木さんが寝てる横に自分から入るなんて、なんか夜這いしているみたいだなとか、しょうもないことを考えてドキドキしてると
「何、緊張してんの?」
暗闇の中でも、どんな顔をしているかわかるくらいバカにした楽し気な声が聞こえた。
「そんなことないです」と言って思い切ってベッドに入ろうとすると
「お前はこっち」
腕をもってコロンと転がされ壁際に寄せてくれた。案外優しいな、この暴君と思っていると
「狭いからもっと寄れ」
身体をぎゅうぎゅう押してくる。藤木さんの体温が伝わってきて、ドキドキうるさく鳴ってる心臓を鎮めようとしていると、後ろからギュッと抱きしめられた。正直このままじゃ不埒なことを考えちゃって寝れないと思っていたものの藤木さんの温もりが心地よくって、意外とすぐに眠りに落ちた。