人事部の女神さまの憂い

「そんなこと巧に心配されたくない。でも、もうまともな恋愛できない気がする」

「それ会社関係の人たちと、でしょ。仕事以外で見つけなよ」

「そう言っても出会いとかないもん」

「もん、っていい歳なんだから・・・。そう、不貞腐れんなよ。ほら喰え」

言いながら私の口元にいい感じで焼けたカルビを、あーんという風にもってくる。

「あ、美味しい」

そのとろけるような食感を味わっていたら

「あれ、仁志。おつかれ」

お店に入ってきた、ひょろ長い長身の男の人が声をかけてきた。

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