人事部の女神さまの憂い
「泣くなよ」と言いながら、あったかい大きな手が頬に置かれ、ペロリと舌で涙をなめられた。びっくりして見上げると
「ほら、泣き止んだ」と笑っている。
その顔がなんだかほんとに愛おしく思えて、自分から背伸びをして唇を合わせにいった。最初はびっくりしていたけど、すぐに深い口づけにかわる。
自由に動き回る舌に翻弄されていたけど、私も欲しくて舌を絡めて唇を甘噛みすると、びくんと藤木さんの身体が跳ねて唇が離れてしまった。
あれっと思ってみると、お前、と言いながらちょっと顔を赤くしている。それから、ぎゅっと痛いくらいに抱きしめられて耳元で
「したい」
と言われたかと思うと、なんの返事もできない間に耳を噛まれ、子どもみたいに抱えられ、ずんずんと部屋を進みベッドの上に降ろされた。
これまでいたテラスとは違って部屋の中が明るいこともあり、藤木さんの顔を見ると急激にまた恥ずかしさが襲ってくる。
今、こうしているのは藤木さんなんだって。
藤木さんと、これからそういうことしちゃうんだって。
自覚するとどうしょうもなくって、思わず横を向いて後ずさると、こっち向いてと再びキスを落とされる。すでにTシャツを脱いで上半身裸になっている藤木さんが上に乗っかってきて恥ずかしさに身もだえていると、ようやくその様子に気付いたのか
「どうした?」とそこでキスを止めてくれた。