人事部の女神さまの憂い
ワタルと別れた後に、心機一転引越しようかな、と迷っていた私に、このエリアを勧めてくれたのは香織さんだ。
会社からも電車で2駅と近くて、スーパーなんかも駅前にあり生活しやすい。
駅前の高級マンションに住む2人ほど家賃を出せないので、駅から10分ほど歩くけどオートロックもついてるし築年数が古い割にはキレイなので、お気に入りの住処になった。
着替えたついでに、たしかここにあったはずと、実家から送られてきた鮭トバを袋に追加して家を出た。
「いらっしゃい」
会社ではなかなかお目にかかれない優しい微笑みの立花さんに出迎えられたのだが、
「お邪魔します」と玄関をあがったところで
「ぷっ」と笑われてしまった。