人事部の女神さまの憂い
伸ばした手で私の頭をわじゃわじゃ撫でながら、ふと思い出したようにつぶやいた。
「そういえば・・・。ニシユリ、柏木達也は?」
何言ってんのこの人、と思いながら藤木さんを見返したら、きょとん、とした顔をされた。
「あれ?なんかあるんじゃないの?こないだ、すれ違いざま、なんかエッロい顔して触ってきてたじゃん。俺でもあんなことできないよ」
エロい顔って、と想像して赤くなっていると、ソファでイチャイチャしていた2人が前のめりになって会話に参加してきた。
「なにそれ!?柏木達也って、あの柏木達也?ユリ、そんな大物捕まえてんの?」
「誰それ?」
「建築家よ。若手のホープとか言われて結構メディアにも取り上げられてるよ。たしかオフィスがうちのビルの30階じゃなかったけ?」