くれなゐ症候群




学校の帰り、駅に着いたところで、その人物に気がついた。

意外なのか、そうでないのか。

券売機の前の柱にもたれて、行き交う人々に、視線をむけている。


奈緒の姿を見とめて、目が一瞬大きく見開かれる。

ついで明るい茶色の髪の下に、人なつこい笑みがひろがった。
まっすぐこちらに足を進めてくる。


「奈緒ちゃん、だよね?」

「和也・・・くん?」
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