くれなゐ症候群
翔一は、彼の持つ支配力を、ときに弱いものへの優しさという形でみせることがあった。

ただの気まぐれだったのだろうが、その印象は強烈だった。

怖れつつ、それでも憧れる。

近いようで遠い、幼なじみの兄。

翔一に連れられるように、修二と三人で遊んだこともあった。


母の記憶のなかでは、すべて修二にすりかえられてしまっているのか。

存在が消える、のはこういうことなのか。

次第に人の記憶のなかからも忘れ去られてゆく。
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