くれなゐ症候群
手をのばせば届きそうなのに。

修二のいるステージの上は、ただ遠かった。



楽屋いく?

とカヲルに声をかけられて、千香は「はい」と即答した。

もともとそれが目当てで来たようなものだ。

楽屋といっても、暗幕とパーテーションで仕切られたスペースだ。


カヲルが入り口のスタッフらしい男に、「こんにちー」と声をかける。

「メンバーに挨拶したいんだけど、いい?」
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