【完】クールな君に告白します
“教養”……。
その言葉さえ初めて耳にしたオレは、隼人と顔を見合わせて首を傾げ、紅葉の親父の鋭い視線に肩をすくめたことは数えきれない程あった。
ただ一つ、オレが子供ながらに感じたのは。
「この子達と遊ぶくらいなら、公園で絵を描く時間に充てなさい」
紅葉の親父はオレを良く思っていないということ。
かくいうオレも、鋭い目付きをするこの親父が好きではなかったが。
「……お父さん。わたしは、楓と隼人とも、遊びたいの。二人はね、わたしが描いたアニメの絵をすごく褒め……」
ぽつり、と零れた声が弱々しく聞こえた。
「何か言ったかい?紅葉は賢いから、お父さんの言っている意味が、わかるね?」
その後ろで誇らしげに飾られたわけのわからない芸術を描いた紅葉の絵が、泣いているようにオレには見えた。