ぬくもり


ねぇ、何で今更そんな顔するのぉ…


そんな悲しそうな顔しないでよ。



私の決意は、司の表情1つで揺らいでしまいそうになる。



愛おしい手を自分から離さなきゃならないのは、身を引き裂かれる程つらい。



でも…女でいる前に、優の母親。
優の母親なんだから…。



泣いていた私を、司に苛められてると思ったのか、優は私を一生懸命に守ろうとしてくれた。



私には優だけで充分。


優が居てくれれば、私は強くなれる。



これからは私が、優を守れるようにならなきゃいけないんだ。



司は冷静に話聞いてくれた。


ただ、瀬田幸代の話になると言い訳がましく、何かモゾモゾと言っていた。



そんな司の姿を見ていると、瀬田幸代の事なんてどうでもよくなっていく私が自分でも不思議だった。



只一つ意外だったのは、あっさりと離婚に承諾してくれると思っていた司が『考えさせてくれ』と言った事だった。



私はその言葉に頷き、司の考えた結果を待つしかなかった。



話が終わると司は部屋にひきあげていき、日曜日も部屋から出てくる事はほとんどなかった。

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