ぬくもり
それぞれの思い
月曜日。


いつもと変わらない1週間が始まる。


まるで離婚を、言い渡された事なんて嘘のようないつもと同じ日常。



美沙が俺を起こして、朝ご飯を食べ会社に行く。



美沙から離婚を言い渡された事なんて嘘のようだけど、間違いなく現実なんだ。



『離婚』


考えた事がない訳ではなかった。



美沙が優に虐待してた頃。


夫婦仲がもっとも悪く家に帰れない日々が続いてた頃。


何度も考えていた。

踏み切れずにいたのは優の存在だった。


虐待している美沙に、優を引き取らせるなんて事できる訳もない。


いまだに父親の実感もない俺に、優を引き取るなんて事もできる訳がない。



結局は、考えるのも嫌になって放っておいた結果が今なんだろう。


でも、今の俺には美沙と別れるような理由は何1つない。



美沙の方には、充分な理由があるんだろうけど…。

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