夢で会いたい
車では30分程度の道のり。
特に話すわけでもなく〈トモ君〉は駅の駐車場に軽トラを停めた。
「すみません。どうもありがとうございました」
そう言って降りようとすると、これまでと同じような気軽さで声を掛けられた。
「明日も5時?」
「うん。しばらくは平日の9時から5時なの」
「わかった。明日も5時に行くね」
なんで?
さすがになんで?
今日のことは納得したけど、それが明日もとなると意味がわからない。
わかりたくない。
「━━━━━明日、店に用事でもあるの?」
「違うよ。芽実ちゃん迎えに行くだけ」
「━━━━━美弥子さんにでも頼まれた?」
「ううん。僕が芽実ちゃんに会いたいだけ」
雲行きが一気にあやしくなってきた。
やめて!言わないで!
ひきつる私の顔は見えているだろうに、相対するように晴れやかな笑顔で〈トモ君〉は言い放った。
「芽実ちゃんが好きなんだ」