絶対王女
「また悪い事してる…」
密かに聞こえたその声。
誰かな?
「また」ってどういう事?
周りを見渡しても誰もいない。
私は図書館に帰る事にした。
『聴力もどれ』
聴力をいつも通りに戻し、図書館に向かう。
その途中、階段を下りていく足音が聞こえた。
そんな事は気にせず図書館に戻ると相川さんは黙々と勉強をしていた。
「おかえり!」
「どう?進んでる?」
「うん!大丈夫!引き止めてごめんね?用事とか大丈夫?」
「そうね。そろそろ帰ろうかしら?」
「今日はありがとう!またお願いしてもいいかな?」
「私でよければ!じゃーまた明日ね!」
私は図書館を出て、教室へ行った。
「ルヒカ先輩!」
階段を上っている途中で声をかけられた。
「なにか?」
振り返ると女の子が立っている。
「私、1年の田中美穂って言います。ルヒカ先輩の大ファンで…えっと…」
「大ファンだなんて。ありがとう!」
「いえ、えっと…サインとかいただけますか?
」
「ごめんなさい。私有名人じゃないからサインとか持ってないの。」
「そうですよね….」
「でもこれはあるなら…」
私は階段を下りて田中さんの前に立つ。
そして、ポケットからアメを出す。
「これで許してくれるかしら?」
「いいんですか?!」
とてもビックリして今にも倒れそう。
その顔最高に唆る。
田中さんはお礼を言って走って行ってしまった。