強引上司にさらわれました

◇◇◇

かずくんが夜勤だからと、私と美優は久しぶりに夜ご飯を食べに行くことになった。
話したいこともあったからちょうどいい。

会社からほど近い韓国料理のお店は、美優がかずくんと付き合うようになる前はふたりでよく行ったところだ。
サムゲタンにチヂミ、テーブルにいっぱいになるほどの料理を注文して、まずはビールで乾杯した。


「あのね、私、課長のところから出たの」

「え? いつの間に?」


美優が目を見開く。


「昨日」

「そんなことひと言も言ってなかったじゃない」

「うん、急に決まったんだ」

「……なにかあったの?」


明るく話していたつもりなのに、美優が急に真顔になる。
私の心の中が、彼女には見えているんじゃないかと思ってしまった。
このまま黙っていても美優には核心をさらりと突かれるだろうし、私も隠してはおけない。


「朝倉課長と舞香ちゃん、兄妹だったの」

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