強引上司にさらわれました
途中でかずくんが帰ってきたものだから、最後は早く切り上げるような感じになってしまったのだけど。
「今さら、私がなにを言える?」
『放っておいてください』なんて啖呵を切っておいて。
ひどい言葉をたくさん課長に浴びせておいて。
「カッコつけてる場合じゃないと思うけどね。異動しちゃったら、毎日顔も見られなくなるんだから」
「そんなこと言ったって……」
課長は今日も、自宅から外回りに直行だった。
この分だと、異動するまでは会社で会えないかもしれない。
「そういえば、住む部屋は見つかったの?」
首を横に振る。
見つからないというよりは、見つけていないというほうが正しいかもしれない。
部屋を見つけて課長のマンションから荷物を運び出したら、それで私たちのつながりが断たれてしまうことが嫌なんだ。
薄々そうだと自分自身でわかっていながら、美優に聞かれてはっきりと思い知った。
「いくらずっと想いを寄せてくれていたといっても、あんまり待たせていたら、すぐに別の人に乗り換えられちゃうよ。あのルックスで、次期部長なんだから。今まで以上に女が放っておかない」