隣で恋してもいいですか




   「馬鹿はどっちだバーカ」



   私が玄関に鍵をかけながらそういうと、「何言ってんだよ、俺定期テスト1位なんだけど」と痛いところにカウンターされる。




   1位とは、そう、先週あった定期テストの学年順位の話だ。


 
   1位はこの霧宮蓮斗。


   イケメンな上に、頭もいいなんて、ずるいぞ、うらァ。



   そう。悔しいけどいつも蓮斗に関しては1位だ。



   いわゆる、天才、というやつだ。



   でも、私は知っている。



   こいつが、陰でどれだけ努力しているか、小さいころから知っている。



   家が隣だから、蓮斗の部屋が電気消える時間なんて知ってるんだよ。



   でも、それ言ったら100パーセントおこられるから言わないけどね。



   「はいはいすごいですね」



   私が適当に返事をした刹那、目の前に私たちが通う学校が見え始めた。
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