授かり婚~月満チテ、恋ニナル~
「そうじゃないですって。慰めてあげるの。どうせ噂聞いたら、うちの女子社員半分は同じこと考えてアピール合戦繰り広げるだろうし」
普段オフィスでは来栖さんに興味ある様子も見せなかった先輩たちまで、彼をネタにきゃあきゃあと楽し気に盛り上がり始める。
「あ、今夜飲み会だし! ちょっと酔わせて聞き出してみましょうか。ほんとのとこ」
「ちょっと~。話聞くだけなら、酔わせる必要はないんじゃない?」
白井さんがちょっと呆れたように、向かいの二人を窘めている。
それを聞きながら、私はなんとなくふうっと唇をすぼめて息をついた。
……そうだよね。
もしも来栖さんが本当に彼女と別れたなら、空席になったそのポジションを狙う女子が殺到する。
花壇のバラに本気を出されたら、雑草のタンポポには勝ち目もない。
ううん、それ以前に……『狙う』なんて考えることもおこがましい。
「佐倉さん、どうしたの? さっきから黙っちゃって」
多分この中で一人だけ、来栖さんの別れ話に興味のない白井さんが、私を横からひょいっと覗き込んできた。
「あっ……。い、いえ。なんでもないです。すみません……」
そう言ってぎこちなく笑いながら、私はちょっとドキドキしてしまった鼓動を誤魔化した。
普段オフィスでは来栖さんに興味ある様子も見せなかった先輩たちまで、彼をネタにきゃあきゃあと楽し気に盛り上がり始める。
「あ、今夜飲み会だし! ちょっと酔わせて聞き出してみましょうか。ほんとのとこ」
「ちょっと~。話聞くだけなら、酔わせる必要はないんじゃない?」
白井さんがちょっと呆れたように、向かいの二人を窘めている。
それを聞きながら、私はなんとなくふうっと唇をすぼめて息をついた。
……そうだよね。
もしも来栖さんが本当に彼女と別れたなら、空席になったそのポジションを狙う女子が殺到する。
花壇のバラに本気を出されたら、雑草のタンポポには勝ち目もない。
ううん、それ以前に……『狙う』なんて考えることもおこがましい。
「佐倉さん、どうしたの? さっきから黙っちゃって」
多分この中で一人だけ、来栖さんの別れ話に興味のない白井さんが、私を横からひょいっと覗き込んできた。
「あっ……。い、いえ。なんでもないです。すみません……」
そう言ってぎこちなく笑いながら、私はちょっとドキドキしてしまった鼓動を誤魔化した。