授かり婚~月満チテ、恋ニナル~
「ふ~ん……。それじゃ、こっちで急いでランチとって行かなくても……ついでに向こうで彼女と一緒にとればいいのに」
橋上さんがちょっと頬を膨らませて発した言葉に、私の指は一瞬ピクッと反応してしまった。
けれど、みんなそれには気付くことなく、会話はテーブルの上で飛び交い続ける。
「あれ。来栖君の彼女って、そこの会社の人だったっけか?」
橋上さんの言葉にそう質問を被せるのは、白井さんと同期の榎戸さん。
「そうそう。確か大学時代からの付き合いだとか。役員秘書の超美人だって噂ですよ」
会話を聞きながら、私はなんとなく目線を下げていき、最後には無駄におしぼりで手を拭き続けながらしっかり俯いていた。
そう……来栖さんの彼女の噂は、私も聞いたことがある。
仕事の出来るバリキャリの美人で、そろそろ結婚という噂も聞いた。
だけどまあ……彼女がいようがいまいが、どっちにしても、私じゃ来栖さんには釣り合わない。
私、佐倉莉緒(さくらりお)。
ついこの間、十一月の始めに二十四歳になったばかり。
サエキコーポレーションに入社後すぐ、海外営業部に配属され、今年二年目のOLだ。
『真面目』と言われて『つまんない』と頭の中で変換してしまうほど、地味で内気で大人しい性格。
見た目的にも、もちろん美人でもないし特に可愛いわけでもない。
橋上さんがちょっと頬を膨らませて発した言葉に、私の指は一瞬ピクッと反応してしまった。
けれど、みんなそれには気付くことなく、会話はテーブルの上で飛び交い続ける。
「あれ。来栖君の彼女って、そこの会社の人だったっけか?」
橋上さんの言葉にそう質問を被せるのは、白井さんと同期の榎戸さん。
「そうそう。確か大学時代からの付き合いだとか。役員秘書の超美人だって噂ですよ」
会話を聞きながら、私はなんとなく目線を下げていき、最後には無駄におしぼりで手を拭き続けながらしっかり俯いていた。
そう……来栖さんの彼女の噂は、私も聞いたことがある。
仕事の出来るバリキャリの美人で、そろそろ結婚という噂も聞いた。
だけどまあ……彼女がいようがいまいが、どっちにしても、私じゃ来栖さんには釣り合わない。
私、佐倉莉緒(さくらりお)。
ついこの間、十一月の始めに二十四歳になったばかり。
サエキコーポレーションに入社後すぐ、海外営業部に配属され、今年二年目のOLだ。
『真面目』と言われて『つまんない』と頭の中で変換してしまうほど、地味で内気で大人しい性格。
見た目的にも、もちろん美人でもないし特に可愛いわけでもない。