授かり婚~月満チテ、恋ニナル~
くせっ毛のせいで、いつも緩くクルッと毛先が巻いてしまう髪は、肩につくギリギリの長さをキープしている。
顔の他のパーツに比べると、ちょっと大きめの目。
そのせいで、だいたいいつも年齢より幼く見られてしまう。


身長も百五十五センチと小柄で、パンツやタイトスカート、ロングスカートが似合わないから、膝丈のふんわりしたデザインのスカートばかり。
なかなか冒険出来ないから、ベーシックな暗い色合いの定番デザインの服装に偏ってしまう。


一緒にテーブルを囲む先輩たちは、最近の流行を上手く取り入れ、大人可愛いパステルカラーやちょっとビビッドな赤なんかも使った服装をしてるのに……。


そんな中にいると、ゴージャスなバラの花壇に場違いに咲いてしまったタンポポみたいで、自分でもどう自信をもっていいのかわからない。


そんな私だからこそ、入社当時から一年半以上来栖さんに片思いを続けていても、見ているだけで幸せ。
同じオフィスにいれば、時々今日みたいに会話を交わすチャンスもある。
本当に、それだけで満足だったのだけれど……。


「……私、ちょっと聞いたんだけどね」


向かい側の二人が取引先の商社勤務の来栖さんの彼女を話題にする中、白井さんがお水を口に含んでから会話に割って入っていった。
< 8 / 22 >

この作品をシェア

pagetop