真愛
連絡が取れた方が帰る時間も正確に分かるからと協力してもらってる。
今からだと尊が到着する前に帰れる。
向かうスピードを早めて急ぐ。
マンションに近づき、車がないことに安堵する。
エントランスを抜け、エレベーターで最上階まで上がり、部屋に入る。
普段着に着替え、エプロンをして下準備していた食材を調理する。
よし、なんとか間に合った…。
ご飯作って尊がお風呂に入ってる間に録画した特集観よう。
呑気にそんなことを考えていたら、尊と楽が帰宅した。
疲れた〜とソファにダイブする楽、無言で私に近づく尊。
ジーッと私を見つめ、ギュッと抱き締める。
「おかえりなさい」
「…ただいま」
「今日はひどくお疲れね?珍しい仕事したからかしら?」
そういうとバッと私を離し、驚いた顔で私を見る。
「…見たの、か?」
「うん、バッチリ。途中から録画しておいた」
二ヒヒと笑うとまた私を抱き締めた。
多分照れてるんだな、これは。
照れた顔を見られたくないんだな。
「見てると思ってなかった」
「営業スマイルできたのね?」
ふふ、と笑うとバカにするなと怒られた。
いつも俺、っていう癖に僕だって。
全然似合ってない。
「メディアで私の話してくれたの、すごく嬉しかった」
「そりゃ自慢したいに決まってるだろ。自慢の未来の嫁だ」
次は私が照れる番。
不意打ちでそんなこといわないでよ、バカ。
ご飯作ってるから、っていって尊から離れる。
照れてるだけの癖に、なんて笑って着替えに行く尊。
自分は照れた顔見せないくせに余裕ね。
そんなとこも憎めないんだけどね。