真愛
「ってことで。どうせ起きるのは昼前だ。今日はゆっくり奈々と楽しむことにした」
「へ!?待って待って!」
「待たない」
そういって軽々私を持ち上げ、寝室のベッドへ。
「ほ、ほ、ほら!私お風呂入ってないし…!」
「これから汗かくんだ、入る必要あるか?明日起きてから一緒に入る。だから今は離したくない」
離したくない、なんていわれて私が断れるわけもなく。
結局朝まで寝かせてもらえなかった。
「…な……な…奈々、起きねぇと襲うぞ」
「☆3¥$#*6!?起きます起きます!!」
襲う、とか変な言葉が頭に飛び込んできた。
何てことをいうの、この人は。
私が飛び起きると、残念そうな顔をして起きなくてもよかったんだが、なんていう。
ったく、この人は…。
「あ、そういえば朝から本家に行くのよね?」
「あぁ、準備しなきゃなんねぇしな。もうすぐ楽が迎えに来ると思うが」
尊が言い終わると同時に家のチャイムがなる。
来たか、といって尊がドアを開けると、そこには楽じゃなく椿さんの姿。
「お袋!?何でここに…」
「あーんっ、奈々っ!会いたかったわぁっ!」
靴を脱ぐことも忘れ、リビングにいた私に豪速球で抱きついてきた。
物凄く強い力で。
「く、く、苦しっ…!」
「あら、ごめんなさいね?」
「おい、靴ぐらい脱げよ」
呆れた顔をしていう尊。
忘れてたわ、なんていってそこら辺にポイポイとヒールを投げ捨てる。
せめて玄関に置きましょうよ、椿さん…。
「何でお袋がここにいんだよ」
「ふっふっふっ…それはねぇ…」
椿さんがそこまでいった時、私は黒服の人達に担がれた。
「奈々ちゃんを誘拐するためよっ!」
ニヤリと笑って黒服に担がれた私と共に出口へと向かう椿さん。
え?誘拐するため?
「どこに連れてく気だよ」
「一足お先に会場に行くのよ♪大丈夫、安心して?ちゃんと可愛くしてお披露目するから♪奈々の準備が整うまでは誰にも見せないつもりだから!」
そういってエレベーターに乗り込み、下に停めている車に私を乗せる。
…きっとこの強引さを尊は受け継いだのね。
車を運転しているのはもちろん蒼聖さん。
いつも楽か蒼聖さんは巻き込まれるのよね…。