真愛



「ってことで。どうせ起きるのは昼前だ。今日はゆっくり奈々と楽しむことにした」

「へ!?待って待って!」

「待たない」

そういって軽々私を持ち上げ、寝室のベッドへ。

「ほ、ほ、ほら!私お風呂入ってないし…!」

「これから汗かくんだ、入る必要あるか?明日起きてから一緒に入る。だから今は離したくない」

離したくない、なんていわれて私が断れるわけもなく。

結局朝まで寝かせてもらえなかった。

「…な……な…奈々、起きねぇと襲うぞ」

「☆3¥$#*6!?起きます起きます!!」

襲う、とか変な言葉が頭に飛び込んできた。

何てことをいうの、この人は。

私が飛び起きると、残念そうな顔をして起きなくてもよかったんだが、なんていう。

ったく、この人は…。

「あ、そういえば朝から本家に行くのよね?」

「あぁ、準備しなきゃなんねぇしな。もうすぐ楽が迎えに来ると思うが」

尊が言い終わると同時に家のチャイムがなる。

来たか、といって尊がドアを開けると、そこには楽じゃなく椿さんの姿。

「お袋!?何でここに…」

「あーんっ、奈々っ!会いたかったわぁっ!」

靴を脱ぐことも忘れ、リビングにいた私に豪速球で抱きついてきた。

物凄く強い力で。

「く、く、苦しっ…!」

「あら、ごめんなさいね?」

「おい、靴ぐらい脱げよ」

呆れた顔をしていう尊。

忘れてたわ、なんていってそこら辺にポイポイとヒールを投げ捨てる。

せめて玄関に置きましょうよ、椿さん…。

「何でお袋がここにいんだよ」

「ふっふっふっ…それはねぇ…」

椿さんがそこまでいった時、私は黒服の人達に担がれた。

「奈々ちゃんを誘拐するためよっ!」

ニヤリと笑って黒服に担がれた私と共に出口へと向かう椿さん。

え?誘拐するため?

「どこに連れてく気だよ」

「一足お先に会場に行くのよ♪大丈夫、安心して?ちゃんと可愛くしてお披露目するから♪奈々の準備が整うまでは誰にも見せないつもりだから!」

そういってエレベーターに乗り込み、下に停めている車に私を乗せる。

…きっとこの強引さを尊は受け継いだのね。

車を運転しているのはもちろん蒼聖さん。

いつも楽か蒼聖さんは巻き込まれるのよね…。





< 113 / 174 >

この作品をシェア

pagetop