真愛



「ダメよ、今日は出席させるんでしょ?それに私も尊の誕生日を祝いたいもの」

いけない?と首を傾げて尊に問う。

そんなことあるわけねぇ、と更に強く抱きしめる。

うん、夏菜さんにやってもらった甲斐がある。

「でも可愛すぎ。いつもの奈々もいいが、こっちも俺の好みだ」

「あら、それはよかった。これで胸を張ってパーティーに出席できる」

お前はいつでも可愛い、そう呟いて私の額にキスを落とす。

その行動に思わず顔を赤らめる。

みんなの前でキスなんて恥ずかしい。

案の定みんなニヤニヤしてるし?

公開処刑もいいとこよ…。

「さて、そろそろパーティーも始まるし、先に会場入りしましょうか?」

そういってルンルンと私達の先頭を歩く椿さん。

このパーティーを1番楽しみにしてたのは案外椿さんなのかも知れない。

会場の大きな扉を開けると同時に会場の内の女の子の黄色い声が上がる。

あちらこちらから尊様〜!とか楽様〜!とか蒼聖様〜!と聞こえる。

まぁ、大半は尊を呼んでるけど。

尊はそんな声も聞こえてないかのように私の腰に手を回し、私と寄り添って歩き出す。

女嫌いで有名な尊がそんなことをすると、当たり前注目されるわけで。

「何よ、あの女…」

「尊様の金魚のフン?可愛くもないくせによく隣歩けるわね」

「蝶、なんて呼ばれてるけど、別に可愛くもないし大したことないわね」

歩いてるとチラホラと聞こえる嫌味の数々。

まぁ、そんな言葉で私が傷つくわけもないけどね。

いわせたい人にはいわせてればいい。

どんな言葉を投げ掛けられても、側には尊がいるもの。






< 117 / 174 >

この作品をシェア

pagetop