真愛
「おっ!いたいたーっ!奈々ちゃん!」
声のした方を見てみると、そこには少し前に知り合った綾牙さんと朱雀さんの姿。
相変わらず綾牙さんは派手な着流しを着ている。
それがまた似合うのが魅力なんだろうね。
私には尊の方が断然魅力的だけど。
「お久し振りです、ご無沙汰してます」
「久し振り〜!元気だった?」
「はい、綾牙さんはお変わりなく?」
「そうだな〜、仕事がキツイってこと以外は上手くいってるな!最近ずっと探してた人が見つかってな〜、これで俺もはれて組長かね〜♪」
鼻息を荒くして嬉しそうにいう綾牙さん。
若頭からついに組長に上がるのか…。
すごいなぁ、さすが綾牙さん。
こんな若くして組長になるなんて。
確かに人をまとめたりするのは得意そうだし。
「おめでとうございます。組長になっても頑張って下さいね」
「おう、頑張る!あ、それとな少し話があんだが…ここじゃなんだしバルコニー行かねぇ?」
椿さんと雪乃を見ていう。
2人がいたら話しにくいことなのかな?
別にそんな込み入った話無いはずなんだけどな〜。
話すことといえば尊くらいなんだけど…話しにくいなら仕方ないかな。
了承して、椿さんと雪乃にはそのままここで待ってもらうことにした。
バルコニーに向かう綾牙さんについていこうとした時、椿さんに呼び止められ耳打ちされた。
「奈々、紅瀬 綾牙には気を付けなさい」
そういって険しい顔をした。
その言葉に驚いたけれどわかりましたと伝え、綾牙さんのあとを追う。
「奈々、ソイツは…貴女の敵かもしれないわ」
そういっていたことを、私は知る由もない。