距離0センチ
でも立花君はもう追求するつもりはないみたいで、話が切り替わった。
「そうですね!
俺、紫乃先輩と花火大会に行けるって、ずっとワクワクしてました!」
さらっと、紫乃先輩と、って主張するあたりが流石だと思った。
「……私もだよ」
「えっ…!」
悪戯心で言った言葉に、立花君が目をキラキラさせている。
そんなにわかりやすく反応されると……なぜかこっちが焦る。
なんだか居心地が悪くなったので、私は立花君より数歩先を歩く。