オオカミ専務との秘めごと

牛乳と卵のフレンチトーストを提案すると、甘いものが苦手な彼は首を横に振った。

お砂糖控えれば甘くないですよと言っても、頑なに首を横に振る。

そんなに嫌いなんだ・・・。


「別のものがいい」

「じゃあ、オーソドックスなメニューにしましょうか」


私が目玉焼きを作り、彼はパンとコーヒーを準備する。

こんなふうに並んでキッチンに立つなんて不思議な気分だ。

彼は家事を手伝う旦那さまになるのかな・・・奥さんになる人は幸せだと思う。


二人で作った朝食はとてもシンプルだけど美味しくて、特別なものに感じた。

それは多分、相手が大神さんだから。


食後の片付けは私が一人でやります!と力強く主張し、ワクワクしながら食器洗い機を使う。

キッチンの掃除も済ませて戻ると、彼は着替えを済ませており、いつもの雲上オーラを放っていた。

寝癖も直っていて、ただソファに座って雑誌を読んでいるだけなのにすごく絵になっている。

仕事ができて御曹司でイケメン、そして料理もできる。

おまけに優しいとくれば、もう完璧ではないか。

この人には弱点なんてなさそうに思える・・・。


雑誌を読む彼の横に座って手元を覗き込むと、ヨーロッパっぽい言語が並んでいた。


「何を読んでるんですか?」

「ゲルハルト氏からもらった雑誌だ。ドイツ語ばかりだが、見るか?」

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