オオカミ専務との秘めごと
大きな窓のカーテンを全部閉め、部屋の中を暗くする大神さん。
さっき二人で出かけて借りてきたブルーレイは二つ。
心霊ものと人が襲われる系のもの。
二つのうちどちらも選べずさんざん悩む私を見兼ねた大神さんが両方借りてくれたのだ。
タイトルを見るだけでゾクゾクする。
「ね、どっちから観ます?」
「お前、心底嬉しそうだな」
「だって、映画を観るのはすごく久しぶりなんです」
まずは心霊ものから。
始まってすぐに引き込まれ、ハラハラしながらも面白く観ていると、隣に座っている大神さんの体がだんだんこちらに寄ってきた。
「う・・・」
怖いシーンのたびに小さなうめき声も聞こえてくる。
そんな様子で、雄太を思い出した。そう、怖い映画がものすごーく苦手な弟の雄太を。
もしかしたら、大神さんも大の苦手?
観終わった直後、彼はソファの背もたれにぐったりと体を預けて、天井を仰いだ。
「俺、今夜は眠れそうにねーな。アレ、思い出しそうだ・・・」
「苦手ならそう言ってくれれば・・・」
「いや怖いわけではない。聴覚と視覚効果でびっくりするだけだ」
それを怖いと言うのだけれど?
そう思ったのを口に出さないでおく。
「もう一個も観るぞ」