オオカミ専務との秘めごと

「塩ちゃんありがと」

「お二人が遅くなるなんて珍しいですね?」

「有給休暇のツケ。菜緒は、そのとばっちり。もうお腹が空いて死にそうよ」


佐奈は、パシッと手を合わせていただきますをし、カツ丼をもぐもぐと食べ始めた。

私もお弁当のウインナーをフォークでプスリと刺す。


「佐奈さん実家に帰っていたんでしたね。結婚式はどうでした?」

「ものすごく感動しちゃった。お義兄さんは優しい人でさ。花嫁が流す涙を拭いてあげたり、さりげなく支えたり、気遣いが半端ないの。我が姉ながらいい人捕まえたなーって感じ」


佐奈は、ドレスも綺麗だったから見る?と言ってスマホを取り出し、撮った写真を見せてくれた。

黄色のドレスを着たお姉さんと、もえぎ色のゲストドレスを着た佐奈が並んで写っている。

お姉さんのドレスは、バラの布花が全体を飾るデザイン。

トップから裾にかけて黄色からオレンジ色に変わっていくのが華やかで、とてもよく似合っている。


「うわあ、可愛いドレスだね。お姉さんも佐奈も綺麗」

「でしょ。で、これがお義兄さん。イケメンじゃないけど素敵でしょ」


お弁当を食べるのも忘れ、塩田さんと一緒に写真に見入る。

眼鏡を掛けた理知的な感じの人で、二人が並ぶ姿は違和感なくしっくりして、とてもお似合いだ。


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