オオカミ専務との秘めごと
「いいなあ。こういうの見ると、結婚したくなりますねー。ウェディングドレスは憧れですよね!」
塩田さんが目をキラキラさせて私に同意を求めてきたので、大きく頷いてみせる。
私もいつかこんな綺麗なドレスを着られるんだろうか。
お相手は、どんな人かな・・・。
イメージすると、専務の柔らかい笑顔が出てしまい、慌てて打ち消す。
彼がお相手だなんてとんでもないことだ。
並んでもしっくりこないし、不似合すぎる・・・。
「塩ちゃん、その前に相手を探さなくちゃ」
「あー、そうでした」
佐奈に突っ込まれ、塩田さんはエヘヘと笑ってお弁当を口に運んだ。
私から見れば二人とも綺麗で、すぐに相手が見つかりそうなのに、いまだにフリーなのは不思議に思える。
男女が知り合って恋人になって、さらに結婚に至るには、運命というか、強い縁が要るのかもしれない。
「私の運命の人はどこにいるのかなー」
そう言って食堂の中を見回した佐奈の顔が、カチンと固まった。
その様子から、誰が近くにいるのか分かってしまう。
「三倉の運命の相手なら、もう現れてるだろ」
「長谷部さん・・・、盗み聞きはよくないですよ」
「たまたま聞こえてきただけ。俺は、塩田さんに用事があってきたの」
長谷部さんに名前を呼ばれた塩田さんの頬が、ポッとピンク色に染まった。
やっぱりこの人は人気があるんだ。