オオカミ専務との秘めごと
「え、私にですか?」
「そう。総務主任が探していたよ。見かけたら声かけてやってくれって言われたんだ」
「あ!そうだった。私行かなくちゃ。すみません、ありがとうございます!」
急いでお弁当箱を片付けて、塩田さんは小走りで食堂から出ていった。
「三倉、俺は、いつでもウェルカムOKだぜ?」
「冗談ばかり言ってないで、用事が済んだなら早く行ってください。私たち食事中なんですから」
ぷいっと横を向く佐奈を見て長谷部さんは肩をすくめ、無言で離れていった。
いつも拒絶されているのに、どうして彼は何度もアプローチするんだろうか。
「長谷部さんは、佐奈のこと本気なんじゃないの?突き放されても話しかけてくるし、ふざけているように見えるけど真面目な気持ちなのかも。一度きちんと向き合ってみたら?」
そう尋ねると、佐奈はふかーい溜息を吐いて、頭を抱えるように額に手を当てた。
「菜緒・・・違うの。アイツが私にしつこいのは、好きとかそういうもんじゃないと思う」
「どういうことなの?」
首を傾げて佐奈を見つめると、彼女はしばらく言いよどんだ後に声を潜めた。