オオカミ専務との秘めごと
「えええええ!!?つ、付き合うって、な、そ・・・」
まさか自分が誘われるとは夢にも思わない。
長谷部さんを凝視して口をパクパクさせていると、彼はプーッと噴出した。
「あはは、キミ驚き過ぎ!」
彼はお腹を抱えて笑っていて、私はムカッとしてしまう。
つい、本気にするところだったじゃないか。
やっぱりこの人は苦手だ。
「長谷部さん、からかわないでください!」
「ごめん。キミの反応が面白くて、つい。からかったつもりはないよ。付き合ってほしいのは、本気」
「え、でも」
どういうことだろうか。
ニッと笑う彼の目を見て真意を量っていると「あー、違う違う。そんなんじゃない」と言って顔の前で手をひらひらさせた。
「付き合うって言っても、変な意味じゃないから。なんつーか、その、キミに頼みたいことがあるんだ」
「は・・・?頼みたいこと??」
おうむ返しに訊き返すと、首を縦に振った長谷部さんは、今までに見たこともないような真面目な表情をしていた。
「分かりました。それで、どこに付き合えばいいんですか?」
すると彼は、入り口近くに置いてあるデスクのメモ用紙にサラサラと書き込み、私に渡してくれた。
そして、頼むな!と爽やかに言い残して書庫の奥に引っ込んでいく。
私はメモをたたんでポケットに仕舞い、ファイルを探し出して仕事に戻った。