クールな御曹司と溺愛マリアージュ
あれから一ヶ月、コンペのデザインは三人で話し合いながら進められている。
加えて佐伯さんはレストランの仕事もあったから、本当に時間がいくらあっても足りないという状態だった。
でもレストランの方は先週無事施工が開始され、時々現場に足を運んではいるものの、今はコンペのデザインにも集中できているようだ。
忙しくなると言った佐伯さんの言葉通り残業続きの毎日で、正直みんなの体が心配になってしまう。
先に食事を終えた私は、まだ食べているみんなを残して自分のデスクに座った。
時刻は二十時半。私の残業は二十一時までと決められているから、あと三十分か。
「柚原」
キーボードに手を置いた時、佐伯さんが私の横に立った。
「どうしました?」
「これ、どう思う?」
目の前に差し出された紙、それはチャペルのデザイン画が簡単に描かれている物だった。
「三十六階という高さを利用して、空の中にいるようなイメージにしたいと思ってる」
ガラスがメインになっているチャペル。太陽の光が反射して自然にキラキラと輝く室内。
「素敵だと思います……」
「そうか、よかった」
まさか、わざわざ私にもデザインの意見を求めてくれた?全くの素人の私に……。
「私の意見なんか参考にならないかもしれないですけど、ガラスの光ってすごく綺麗だし、高さもあるから本当に空の中で挙式をしている気分になりそうですね」
すると佐伯さんは、私を見つめてフッと微笑んだ。
忙しくてここ最近はずっと難しい顔をしていた佐伯さん。久しぶりに見たその笑顔に、ドキッと心臓が跳ねた。
「参考にならないわけないだろ。実際に式を挙げる人の中には、お前みたいな普通のOLもいるんだ。そういう奴の意見は貴重だからな」
それだけ言って私に背を向けた佐伯さん。
単純な私は、そんな何気ない言葉だけで心から嬉しいと思ってしまう。
佐伯さんの言葉は、私にとって本当に魔法のようだ。
「二十一時までだぞ」
「毎日言わなくても分かってますよ」
心配性は相変わらずだけど。
加えて佐伯さんはレストランの仕事もあったから、本当に時間がいくらあっても足りないという状態だった。
でもレストランの方は先週無事施工が開始され、時々現場に足を運んではいるものの、今はコンペのデザインにも集中できているようだ。
忙しくなると言った佐伯さんの言葉通り残業続きの毎日で、正直みんなの体が心配になってしまう。
先に食事を終えた私は、まだ食べているみんなを残して自分のデスクに座った。
時刻は二十時半。私の残業は二十一時までと決められているから、あと三十分か。
「柚原」
キーボードに手を置いた時、佐伯さんが私の横に立った。
「どうしました?」
「これ、どう思う?」
目の前に差し出された紙、それはチャペルのデザイン画が簡単に描かれている物だった。
「三十六階という高さを利用して、空の中にいるようなイメージにしたいと思ってる」
ガラスがメインになっているチャペル。太陽の光が反射して自然にキラキラと輝く室内。
「素敵だと思います……」
「そうか、よかった」
まさか、わざわざ私にもデザインの意見を求めてくれた?全くの素人の私に……。
「私の意見なんか参考にならないかもしれないですけど、ガラスの光ってすごく綺麗だし、高さもあるから本当に空の中で挙式をしている気分になりそうですね」
すると佐伯さんは、私を見つめてフッと微笑んだ。
忙しくてここ最近はずっと難しい顔をしていた佐伯さん。久しぶりに見たその笑顔に、ドキッと心臓が跳ねた。
「参考にならないわけないだろ。実際に式を挙げる人の中には、お前みたいな普通のOLもいるんだ。そういう奴の意見は貴重だからな」
それだけ言って私に背を向けた佐伯さん。
単純な私は、そんな何気ない言葉だけで心から嬉しいと思ってしまう。
佐伯さんの言葉は、私にとって本当に魔法のようだ。
「二十一時までだぞ」
「毎日言わなくても分かってますよ」
心配性は相変わらずだけど。