クールな御曹司と溺愛マリアージュ
近付くにつれて多くなる人の数。
この時間でもまだ人が沢山いるのは今日が金曜だからなのか、それとも夜景を見るためなのかな。
人混みは苦手だけど、佐伯さんと一緒なら全然苦にならない。
チケットを買って中に入ろうとしたところで、佐伯さんが立ちどまる。
「どうしたんですか?」
「……手」
「手?」
首を傾げながら自分の左手を見つめると、視界に入ってきた佐伯さんの右手が……それを包み込んだ。
その温かい手が重なった瞬間、胸がキュッと締め付けられるような感覚に、息が止まってしまいそうだった。
「行くぞ」
顔色ひとつ変えない佐伯さんにとっては、なんでもないことなのかもしれない。
でも、私にとっては……この大きな手に触れるだけで、幸せを感じることができるんです。
大好きな人の手だから。
中に入りエレベーターに乗っている時も、繋がれたままの手。
このドキドキは、佐伯さんには伝わらないのかな。
見上げた先にある綺麗な横顔は、出会った時から少しも変わらない。
でも私の中の気持は、あなたの不器用な優しさに触れるたびに少しずつ少しずつ膨らんでいった。
最初の出会いは衝撃的で、凄くまっすぐな瞳をしていた佐伯さんに、私の心はすぐに吸い込まれてしまったんだ。
一緒に働きたい、変わりたいってそう思って。
「柚原?着いたぞ」
「あっ、はい」
エレベーターを降りると、そこに広がる景色に私と佐伯さんは釘付けになった。
薄くなった夕焼け空、それと同時に見えてくる夜景。
私達は無言で、ただその綺麗な景色を見つめる。
この時間でもまだ人が沢山いるのは今日が金曜だからなのか、それとも夜景を見るためなのかな。
人混みは苦手だけど、佐伯さんと一緒なら全然苦にならない。
チケットを買って中に入ろうとしたところで、佐伯さんが立ちどまる。
「どうしたんですか?」
「……手」
「手?」
首を傾げながら自分の左手を見つめると、視界に入ってきた佐伯さんの右手が……それを包み込んだ。
その温かい手が重なった瞬間、胸がキュッと締め付けられるような感覚に、息が止まってしまいそうだった。
「行くぞ」
顔色ひとつ変えない佐伯さんにとっては、なんでもないことなのかもしれない。
でも、私にとっては……この大きな手に触れるだけで、幸せを感じることができるんです。
大好きな人の手だから。
中に入りエレベーターに乗っている時も、繋がれたままの手。
このドキドキは、佐伯さんには伝わらないのかな。
見上げた先にある綺麗な横顔は、出会った時から少しも変わらない。
でも私の中の気持は、あなたの不器用な優しさに触れるたびに少しずつ少しずつ膨らんでいった。
最初の出会いは衝撃的で、凄くまっすぐな瞳をしていた佐伯さんに、私の心はすぐに吸い込まれてしまったんだ。
一緒に働きたい、変わりたいってそう思って。
「柚原?着いたぞ」
「あっ、はい」
エレベーターを降りると、そこに広がる景色に私と佐伯さんは釘付けになった。
薄くなった夕焼け空、それと同時に見えてくる夜景。
私達は無言で、ただその綺麗な景色を見つめる。