クールな御曹司と溺愛マリアージュ
「おい、柚原」
「あっ、はい。すいません」
どうしよう、みんなの前でなんて泣きたくないのに。
佐伯さんから見えないようにと、私は顔を隠すように俯いた。
「確か河内だっけ?企画部にもよく来てたから覚えてますよ」
河地、だけどね……。わざわざ訂正する必要もないか。
「営業成績良かったみたいだし、結構あの人もかっこよかったかな~。まぁ佐伯さんと拓海さんには敵わないっすけどね~」
「へー、恵梨ちゃんそんな人と付き合ってたんだ」
拓海さんまで成瀬君の話しに乗っからないでほしいけど、酔っぱらってる今の成瀬君は止めても無駄だろうな。
分かりやすく溜め息をつき、普段は悪酔いするからあまり飲まないワインを注文した。
「でも俺はあの人あんまり良いイメージなかったですよ。企画部きてなに話すのかと思ったら、多分恵梨ちゃんのことだと思うんだけど『あれはダイヤの原石だ、俺がピカピカに磨いてやる』とか寒い台詞言ったりして」
ダイヤの原石か……。結局磨いても磨いても全く光らないことに呆れて捨てられたんだけどね。
「うわ、そんなこと言っちゃうやつなの?寒いな」
「ですよね拓海さん!俺、冷ややかな目で見てた気がします。他にもなんかあったけど忘れちゃいました」
二人が河地さんのことで盛り上がっているけど、佐伯さんはどう思ってるんだろう。
チラッと隣を見ると、全く興味がないといった表情でお刺身を食べたりお酒を飲んでいた。私の元彼のことなんて、そりゃ興味ないに決まってる。
「でもなんで別れたの?確か香港にいったんだよね?さすがに会えないから、って感じだったのかな~」
「それは、言わなきゃだめなの?」
「うん!聞きたい聞きたい!」
そんな屈託のない笑顔で素直に言われたら、断るに断れない。佐伯さんは変わらず無表情だし。
あーもう!今まで全部を話したのは有希乃ちゃんにだけだけど、二年も前のことなんだからどうでもいいじゃん!
私はグラスに入っている赤ワインを一気に飲み干した。
「あっ、はい。すいません」
どうしよう、みんなの前でなんて泣きたくないのに。
佐伯さんから見えないようにと、私は顔を隠すように俯いた。
「確か河内だっけ?企画部にもよく来てたから覚えてますよ」
河地、だけどね……。わざわざ訂正する必要もないか。
「営業成績良かったみたいだし、結構あの人もかっこよかったかな~。まぁ佐伯さんと拓海さんには敵わないっすけどね~」
「へー、恵梨ちゃんそんな人と付き合ってたんだ」
拓海さんまで成瀬君の話しに乗っからないでほしいけど、酔っぱらってる今の成瀬君は止めても無駄だろうな。
分かりやすく溜め息をつき、普段は悪酔いするからあまり飲まないワインを注文した。
「でも俺はあの人あんまり良いイメージなかったですよ。企画部きてなに話すのかと思ったら、多分恵梨ちゃんのことだと思うんだけど『あれはダイヤの原石だ、俺がピカピカに磨いてやる』とか寒い台詞言ったりして」
ダイヤの原石か……。結局磨いても磨いても全く光らないことに呆れて捨てられたんだけどね。
「うわ、そんなこと言っちゃうやつなの?寒いな」
「ですよね拓海さん!俺、冷ややかな目で見てた気がします。他にもなんかあったけど忘れちゃいました」
二人が河地さんのことで盛り上がっているけど、佐伯さんはどう思ってるんだろう。
チラッと隣を見ると、全く興味がないといった表情でお刺身を食べたりお酒を飲んでいた。私の元彼のことなんて、そりゃ興味ないに決まってる。
「でもなんで別れたの?確か香港にいったんだよね?さすがに会えないから、って感じだったのかな~」
「それは、言わなきゃだめなの?」
「うん!聞きたい聞きたい!」
そんな屈託のない笑顔で素直に言われたら、断るに断れない。佐伯さんは変わらず無表情だし。
あーもう!今まで全部を話したのは有希乃ちゃんにだけだけど、二年も前のことなんだからどうでもいいじゃん!
私はグラスに入っている赤ワインを一気に飲み干した。