クールな御曹司と溺愛マリアージュ
「そんなに知りたいなら教えますよ」
そう言って、私の身に起こった元彼との最後を包み隠さずに全てさらけ出した。
当然、ワインを飲むペースも自然と上がる。
「……という感じで、ドロドロな三角関係とはなりませんでしたが、ドラマのようなシチュエーションに自分が立たされた時の気持は、今でも忘れられません」
さっきまで喋り過ぎというくらい喋っていた成瀬君も、いつの間にか黙って私の話しを聞き入っていた。
「最後の最後に言われた台詞が〝ダサい〟ですよ。もう笑うしかないですよね。俺色って、今時俺色とか……」
「なんか……すいません。思い出したくないようなこと聞いちゃって」
酔っているはずなのに、とてもしんみりとした面持ちで俯いた成瀬君。
「いいのいいの!もう昔のことだし」
そう、もう終わったことなんだ。それなのに私は、今も恋愛というものに前向きになれないでいる。
河地さんは酷かったけど、私が地味でダサい女だというのは間違いじゃないから。
「でもあれですよね、あの人仕事はできたみたいだから、もし香港に行ってなくて面接を受けてたら今ここにいたかもしれないってことっすよね?」
もし河地さんがいたとしたら、私はワームデザインの面接を受けようともしなかったと思う。
「なに言ってんだ、成瀬」
ずっと黙っていた佐伯さんが、少しだけ身を乗り出した。
「え?俺なんか言いました?」
今までの話しを聞いて佐伯さんがなにを言うのか、聞きたい半面正直少し怖い。
「今ここにいるかもしれない、とか言っただろ」
「あぁ、はい。仕事できるみたいだし」
そう言って、私の身に起こった元彼との最後を包み隠さずに全てさらけ出した。
当然、ワインを飲むペースも自然と上がる。
「……という感じで、ドロドロな三角関係とはなりませんでしたが、ドラマのようなシチュエーションに自分が立たされた時の気持は、今でも忘れられません」
さっきまで喋り過ぎというくらい喋っていた成瀬君も、いつの間にか黙って私の話しを聞き入っていた。
「最後の最後に言われた台詞が〝ダサい〟ですよ。もう笑うしかないですよね。俺色って、今時俺色とか……」
「なんか……すいません。思い出したくないようなこと聞いちゃって」
酔っているはずなのに、とてもしんみりとした面持ちで俯いた成瀬君。
「いいのいいの!もう昔のことだし」
そう、もう終わったことなんだ。それなのに私は、今も恋愛というものに前向きになれないでいる。
河地さんは酷かったけど、私が地味でダサい女だというのは間違いじゃないから。
「でもあれですよね、あの人仕事はできたみたいだから、もし香港に行ってなくて面接を受けてたら今ここにいたかもしれないってことっすよね?」
もし河地さんがいたとしたら、私はワームデザインの面接を受けようともしなかったと思う。
「なに言ってんだ、成瀬」
ずっと黙っていた佐伯さんが、少しだけ身を乗り出した。
「え?俺なんか言いました?」
今までの話しを聞いて佐伯さんがなにを言うのか、聞きたい半面正直少し怖い。
「今ここにいるかもしれない、とか言っただろ」
「あぁ、はい。仕事できるみたいだし」