クールな御曹司と溺愛マリアージュ
ーーカチャッ
「戻りました!」
「お帰り~」
「た、拓海さんも戻られてたんですね」
ということは……。真っ白いワイシャツのうしろ姿、佐伯さんはパソコンに向かっていた。
私が帰ってきたことに気付いていないのか、それともわざと気づかない振りをしているのか。
「その眼鏡、凄く可愛いね。恵梨ちゃんに似合ってるよ」
「ありがとうございます」
買ったばかりの眼鏡を早速つけてるなんて、なんだか張り切ってるとか調子に乗ってると思われないかな。
誉めてくれた拓海さんの言葉は嬉しいけど、佐伯さんが私に気づく前にやっぱり外そうかな。
なんとなく息を潜めて自分のデスクに向かおうとした時、突然くるっと振り返って立ち上がった佐伯さん。それに驚いた私は焦って鞄を落としてしまった。
「なんだ柚原、いたのか」
「はい……いました」
いや、結構大きな声を出したつもりだったけど。
「丁度いい、みんなちょっとこっちに集まって」
佐伯さんは手に持っていた数枚の紙をテーブルに置いてから椅子に座った。
とりあえず少しも動揺している様子はないし、私も落ち着いて出来るだけ普通にしていよう。
「今日クライアントと会ってきたんだが、ワームデザイン最初の仕事が決まった」
「マジですか?よっしゃ」
小さくガッツポーズをした成瀬君。私もなんだかピリッと緊張感が走り、姿勢を正した。
「最初の仕事は、カフェの改装だ」
そう言って広げた資料を指さしながら依頼についての説明を始めた。
昨日空いた時間に空間デザインのことを調べたつもりだったけど、こうやって実際に言葉で聞くと、私にはやっぱりまだ全然分からない。
「戻りました!」
「お帰り~」
「た、拓海さんも戻られてたんですね」
ということは……。真っ白いワイシャツのうしろ姿、佐伯さんはパソコンに向かっていた。
私が帰ってきたことに気付いていないのか、それともわざと気づかない振りをしているのか。
「その眼鏡、凄く可愛いね。恵梨ちゃんに似合ってるよ」
「ありがとうございます」
買ったばかりの眼鏡を早速つけてるなんて、なんだか張り切ってるとか調子に乗ってると思われないかな。
誉めてくれた拓海さんの言葉は嬉しいけど、佐伯さんが私に気づく前にやっぱり外そうかな。
なんとなく息を潜めて自分のデスクに向かおうとした時、突然くるっと振り返って立ち上がった佐伯さん。それに驚いた私は焦って鞄を落としてしまった。
「なんだ柚原、いたのか」
「はい……いました」
いや、結構大きな声を出したつもりだったけど。
「丁度いい、みんなちょっとこっちに集まって」
佐伯さんは手に持っていた数枚の紙をテーブルに置いてから椅子に座った。
とりあえず少しも動揺している様子はないし、私も落ち着いて出来るだけ普通にしていよう。
「今日クライアントと会ってきたんだが、ワームデザイン最初の仕事が決まった」
「マジですか?よっしゃ」
小さくガッツポーズをした成瀬君。私もなんだかピリッと緊張感が走り、姿勢を正した。
「最初の仕事は、カフェの改装だ」
そう言って広げた資料を指さしながら依頼についての説明を始めた。
昨日空いた時間に空間デザインのことを調べたつもりだったけど、こうやって実際に言葉で聞くと、私にはやっぱりまだ全然分からない。