君思い
『わかったわかったよ。何?何すれば消してくれるの?』

「あ、なんでもする…とか実力行使!とかそういう展開はないんですね」

残念だなぁ、なんて余裕の笑みを浮かべながら携帯を揺らす秦野君

「なら…俺のことも名前で呼んで下さいよ」

『…秦野』

「いや、下の」

『…ごめん、名前なんだっけ』

「はーい、保存してみんなに拡散しようこの写メ。誰に送ろうかなぁ」
『うわぁぁぁ!!!ダメダメダメダメ!
嘘!嘘です!誠君!!』

やけくそで叫ぶとにんまり笑顔の秦野君もとい誠君

『消してね』
「了解でーす」

削除されました
その文字を見て一安心し、部室へ向かう



『…あの〜、誠君?右手離してもらえませんかね?』

誠君はまだ右手首を握ったまま

「…せっかくですし、部室まで行きましょう?」

にっこりと笑う目の前の小悪魔後輩野郎に今日1番の悲鳴が出た
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