届かないこの想いを、胸に秘めて。
「……私、こわい」
「うん、だろうね。……でもさ、立ち向かわなきゃ。怖いものなんてこの世に沢山あるんだよ。それを破るのは自分にしか出来ないんだ」
だから、頑張れ。と笑う香奈恵ちゃんに和海ちゃんが何度も頷いている。
そんなふたりの姿がだんだんぼやけて見えて、一つ頬に伝った。
「う、ん!」
涙を拭って笑う。
私はいつも2人の言葉に甘えてばかりだと身に染みて思う。
それに駄目だなって自分に鼻で笑うんだ。
『怖いものなんてこの世に沢山あるんだよ』
そうだよね。沢山あるよね。
その沢山の中にはまだ知らないことばかりだから、それに直面した時が一番怖く思うんだ。
私はいまそれに直面してるんだ。
それを破るのは私しかいないんだ。
鴇田くんも、紗姫ちゃんもこの怖さに立ち向かったんだ。
ふと鴇田くんと目が合った。
「淳介なら教室にいると思うよ」
そう言って香奈恵ちゃんの真後ろに立って言った。その表情はとても柔らかなものだった。
私は頷いてキミがいる教室へ向かった。
後ろからみんなの声が聞こえる。それが私には最高のおまじないだと思った。