神と忌み子

忌み子【リアside】

「クレイドッ!」
アランが叫んだ瞬間、黒いコートの人の周りに氷柱が出来た。
「…アラン、すごい…!魔力は上がってるから、魔法自体が強くなってる…!」
「魔法自体が強くなってる!?」
アランは、無表情でも目に怒りを宿した顔だった。
「…アラン…」
ピクリ、と黒いコートの人の耳が動いた。
「えいっ☆」
「…!リア…!」
「…っ!」
一瞬、アランの髪の毛の色が見えた。
目の前に、アランの姿があってその後ろに氷の壁があった。
アランは、セシル兄さんと呼んでいた人の近くに行った。
「セシル兄さん…」
セシルさんにアランが触れると、セシルさんのアランが触れた所がいきなり火傷を負った。
「…っ!」
アランは、それに気付くとセシルさんから手を離した。
アランが泣きそうな顔をしていた。
気付くと、私はアランに後ろから抱き締めていた。
「…っ、リア…離せ…っ!」
「……」
「お願いだから…離せ…っ!」
アランは、私に懇願すると突然倒れた。
黒いコートの人のいた所に誰もいなかった。
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