今日も明日もそばにいて

でも、休み休みってどの程度の?
全行程…15分くらいか〜。休み休みと言えども、運動してない人間が急に階段なんて登ったら…脚、上がるかしら…それに。明日、ううん、明後日、腿とか筋肉痛が来るんだろうな。ハハハ。


「さあ、行きましょうか」

「よ〜し。取り敢えず頑張る」

拳を握って見せた。鼻息、荒かったかしら。
上がり始めた。

「ハハ、気張らなくても普通でいいですよ、普通で。足元も見ないといけませんが、景色を見ながら上がると、そんなに疲れないモノかも知れませんよ?」

「うん、そうね。
…ちゃんと段数が書かれているのね。5、6…」

「あ、数えながら登ってます?…はい」

「うん。あ、有り難う」

後ろに差し出された手を自然と掴んでいた。


あ…少し高くなるだけで見えてる景色が違う。
階段の踊り場で一時休憩。
豆知識みたいなのもある。これは、見るつもりで足を止めると、同時に休憩になるように出来てるのかな。


「大丈夫ですか?もう少しですよ」

「あ、うん、大丈夫そう」

これなら思っていた程ではなさそうだ。辛くない。

「一望する事って無いですからね。後少しです。ちょっとした物、貰えますよ?」

…ん?何が貰えるの?

「行きましょうか」

「うん」

また手を繋いだ。



…着いた。

正真正銘、お姉さんが居た。

「はい、これです」

「…認定証。へえ…こんなの貰えるのね。何だか嬉しい」

「では、上に行きましょう」

バッグにしまった。

あ、あの男の子。認定証、嬉しそうに眺めている。嬉しいよね。
あ、こっちにピースしてる。私も、ピース、お返し。フフ。
バイバイ。バイバイ。

「ん?」

「あ、うん、行こう」

フフ。私の小さな戦友かな。



「あ!」

「はい?」

「…何て言うんだっけ」

散々見てきたのに、今更名前の確認をしてる。

「ハハ、ノッポンですよ、ノッポン」

「そうそう。ねえ?彼らは喋らないんだっけ」

子供も沢山居る。いけない、と思って小声で聞いた。

「はい。確か」

小声で返ってきた。

「流石に顔の部分が長いのね」

「まあ、そこら辺は、デザイン上、ちょっと大変でしょうね。高さの把握が難しいというか。自分の身長以上に上背がある訳ですから、大変ですね。まあ、先なら衝突しても衝撃は少ないでしょうが」

「そこはオフレコの部分よね」

「そうですね、そうでした」

「…大人は駄目ね。夢のない話をついしてしまう」

「まあ仕方ないと思いますよ?現実を知ってますから」

「うん、そうね」

…見た目と中身は違うってこと、小さい子供は外しか知らない。そもそも、中が人なんて…思いもしないものよね。
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