今日も明日もそばにいて
昼間の繰り返しをしている感覚に襲われた。
ソファーに掛けるように促して、同じように珈琲を入れる。
違ったのは、神坂君もホットでいいと言った事。
意味も無いけど習慣でテレビを点けた。リモコンを神坂君に渡し、好きなのを観ててと告げた。
カップを並べ、ドリップ珈琲をセットした。
お湯が沸くのをジッと待っていた。
気配は一切感じられなかった。
…え?
「流石にこれは、解らないようには出来ないですね…」
ちょっとだけ冷たい感触が後ろから首元に触れた。
「え?」
「あ、そのまま…少し…このままじっとしててください。動かないで、もう少しです…このままで。
…はい、いいですよ」
…これ…。首の前に下がったモノを指で摘んで見た。
三日月と小さい粒の星?なのかな。…プチネックレス。
「神坂君…これ…」
「ハハ、もう5回目ですよ?一体どれだけペナルティーを増やすつもりですか?……実季さん……一つ、消化させて貰います。…有無は無しの約束です…」
肩を掴まれくるりと振り向かされた。え。
唇を塞がれた。あ。
ピー!
「ふ、邪魔された…一つ、減りましたね」
ピー…。
お湯が、沸いた、と、しつこく催促している。
…。
ネックレスのトップ、ギュッと手の中に握っていた。
「神…」
「…俺がしますよ」
見つめられていたと思ったのは束の間。
……何?今のは事故?……ベナルティって…唇………一体、何?
「はい、入れましたよ?…いい香りですね。珈琲の香りは何だか落ち着きますね。アイスだと、この香りは解り辛い。
さあ、座りましょうか?」
言われるがままついて行った。置いて並んだカップに合わせるように、二人並んで腰掛けた。
「このお菓子、摘んでいいですよね?」
「……あ、うん、うん…いいよ。…どうぞどうぞ…どうぞ」
…胸がとんでもなく騒がしい。それだけははっきり解った。