今日も明日もそばにいて

こっちはどうなる事やら。…風呂に入るか。…何なら、帰るか。
…何も話し掛けて来ないし。居ない方がいいって事か。

「実季さん、俺、やっぱり帰ることにする」

…聞こえ無かったのかな。眠っちゃったのかな?

…。

ん?起きてるじゃないか。

…。

あ、メールしてたから、何か、勘違いして怒ってるのかな。不安な事があったら些細な事でも口に出す約束だ。聞かないっていう事は、何も思っては無いんだな。そう理解するぞ。

「じゃあ、おやすみ。鍵、忘れず掛けてくださいね」

…。

おやすみも無しか。はぁ、本当…機嫌が悪いんだな…。


靴を履き玄関を出た。
特に見送りに来る事も無かった。来ないと思ったけどね。

…。

こうなったら、意味の解らない冷戦に突入って事か?それも仕方ないのか…。機嫌が悪そうに見えている相手に、機嫌悪いの?なんて聞き方をするのも…更に不機嫌にさせてしまう恐れが…。



「…ふぅ、ただいまっと」

部屋に帰った。何か、どっと疲れが増した。上がらず直ぐ戻って来てたら良かったな。
もう風呂に入って休もう。


シャワーをして、身体の熱が冷めるのを待っていた。携帯に特にメールが来た形跡も無い。…電話も。
ふぅ、意地の張り合いか…。謝る事も特にもう無い。暫く、そっとしておくか。

…大人の女性は難しい。
ちょっとしたポイントが、ズレている事が解らなければ、変わった様子に気づけない。
無関心、無神経だと思われてしまう。
はぁ…取り敢えず、寝るか。明日も仕事だ。
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