今日も明日もそばにいて
⑨いつも傍に居るから。
「よう、旦那は〜ん。欠伸なんか噛み殺して。随分眠そうですな〜。ひと山越えて、より仲良くなった証拠か?」

「うるさい…。どうでもいいだろ」

こいつは…本当にもう…。相手が実季だから、やっかんでる部分もあるんだろ?

「え、いやいや。俺のアドバイスは?だから上手くいったんだろ?」

「はぁぁ。100パーじゃない。アドバイスの成果は…ちょっとだけだ。きっかけくらいだ。俺は悪くない事で意味もなく謝らない。お前のアドバイスは3割…、2割くらいってとこかな。実行したのは」

「ふ〜ん。まあ、結果オーライって事か。あのさぁ、俺の出番て、もう無いのか〜?」

「あ?…お前。…まだ解らん。俺らの事はまだ誰も知らないから。知られた時にどうなるか…」

「美香ちゃんみたいな子で、まだまだ強力なタイプが居るかもって事か…。そしたら、俺が、花さんのスーパーマンとして登場、か。グフ」

…あのなあ。楽しみって、顔に出てるから…。

「ハプニング、あって欲しいと思ってるだろ…」

「ん?ちょっとはな~。あ、お前、食事したんだって?昨日、美香ちゃんと」

「ああ。長い間待ってたみたいだったから、悪いかなと思ってさ」

「んー、お前にしてみたら、これっきりだし、優しさみたいなもんだったんだろうけど、そこまでしたもんだから…大変な事になってるぞ?告白して振られても、ご飯は一緒に出来るかもって、さ…。そんな事、言われてるぞ。また誰かに似たようなパターンで告白されるかもだな。駄目でもお前との“記念”欲しさにさ」

「はあ?そんな単純な子ばっかりじゃないだろ?」

記念て…。こっちはそんなつもりでなんてしてない…。

「いや、物は考えようだろ?駄目元でも憧れの人と二人でご飯が出来る、そう思ったら、言って来る子の一人や二人、いや、もっとか、居ると思うぞ?こうなったら順番待ち?みたいな。あ、団体で来たりして。あ、それはないか、やっぱり二人がいいもんな。ハハハ。そして、それは断れないよな。何故なら、断ると美香ちゃんだけが特別な子になってしまうからだ。だろ?神坂…大変だな~。花さん、また拗ねちゃうぞ?」

…他人事だと思って、…言いたい放題だな。
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