今日も明日もそばにいて

「だってそうでしょ?可愛いじゃないですか。…妬いてくれたり、不安になったり。それは無関心では無いという事。好きだからですよね。好きじゃなきゃ妬かないし、不安に襲われる事も無い。失いたく無いと思ってるんですよね、あいつの事」

あー、くそー、何だよ神坂の奴、ちゃんと惚れられてるじゃないかー。まあ、それが当たり前か、まだつき合い始めたばっかりでもあるんだし。…かぁー。

「私…年上だから。若い年上じゃなく、…アラフォーの年上だから」

「そんなの気になりますか?」

「えっ?」

…気になるに決まってる。アラフォーよ?アラフォー。悪気は無くても…若い子が若い子の立場で会話に出てくるこの言葉を聞かされたら、嫌な響きだもの。

「自分が若い年上だったらいい、って考えるなら、同じだ。早くからつき合って、ずっと仲良く一緒に居たら、いずれ今の年齢になっていたとも言えるでしょ?何より、あいつが年齢の事で何か言いましたか?」

「ううん…私が気にして聞いただけ」

「そうですよね。年齢はぶっちゃけ、誰にもどうする事も出来ないじゃないですか。生まれたら誰もが毎年加算されるモノです。生きてるんだからそこは仕方ないモノです」

気をつけろ、俺。これは凄くデリケートな事だ。気にしているという人に、うっかり軽はずみな事は言えない。言い間違いとか、取り返しがつかなくなるから。慎重にだ。

「志野田君、彼女は?」

「居ます、居ますよ」

「え、あ、じゃあ、…いいの?こんな事して…、私とここに居たりして。知ってるの?喧嘩にならない?」

「帰ったら叱られますよ?ハハ、でもそれは冗談で叱られるって事です。気にしないでください。俺の彼女は神坂のいとこなんです。あいつにはつき合う事で世話になったんです。どうしても紹介しろって言って、会う段取りとかして貰って落とすまで。だから、これは俺からしたら恩返しみたいなもんなんです。この事は重々説明してあります。知ってるんで大丈夫です、心配は要りません。俺が綺麗な人と居たって誰かに告げ口されたら、それがこういう事だって、言ってありますから」

「とんだ浮気者にされちゃうのね、ごめんなさい、有難う」

「…いいえ、俺は光栄なんです。彼女が聞いたら、それこそこの事、少しは拗ねてくれるかな…。杜咲さんは俺らの憧れの人ですから、喜んで引き受けてますから」

「あ…本当?そんな事…嘘。でも…有難う。嬉しい」

ゔっ。知らなかった。こんな、クシャッと笑って…可愛らしい反応するんだな。はぁ。…梨香、許せ。これは浮気じゃないぞ。この人は憧れだ、憧れ。俺は梨香だけだからな。

ぼちぼち来るかな、神坂。
まさか、どっか、またご飯とか行ったんじゃないだろうな…。早く戻ってあげてくれ。
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