今日も明日もそばにいて
周りを見た。誰も居ない。大丈夫ね。

「はい、これ、ありました」

鍵を渡した。

「フ、そうなんだ、良かった。俺も、…これ」

内ポケットから何かを出した。
…え、これ?渡された物は綺麗な箱だった。わざわざこんな箱に入れてくれたの?
私ったら、鍵そのものだけ渡しちゃった。これではどっちが女子か解んないじゃない…。この箱、綺麗だから、ネックレスこの中にしまうようにしようかな。

「実季、開けてみて?」

あ、はいはい。……え?

「…あ、…の、鍵は?……これって…これは…違う」

…鍵じゃ無かった。

「フ。貸して?」

箱ごと神坂君の掌に乗せた。

「これはね…、実季とつき合えるようになった記念ってやつ。お、凄い。サイズは良さそうだな。駄目なら直そうと思ってたけど。どうかな、気に入ってくれた?」

「…神坂君」

「んん?」

「これ…誰も居ないからって、ここは休憩室よ?会社よ?…。こ、こんなところで…こんなこ…」

あっ。こんなところでって言ってるのに、いきなり唇がぶつかってきた。それに、また、強力なのを。ん゙…はぁ、はぁ。

「神坂君?!」

落ち着けって言ってるみたいに抱きしめられた。

「はぁ…ここが始まりだった。綺麗で可愛い人だと思ったのも、実季に当たって砕けてみようと決心したのも。全部ここだった」

「だからって、誰か来たら…」

あ、…。はぁ。…。強く抱きしめられた。

「もう…駄目よ…」

「いいんだ、別に誰かに見られたって。実季、一緒に暮らさないか?」

「え?」

「俺は実季と一緒に居たい」

「あ、でも…」

「手、貸して?…はい。俺の部屋の鍵。連絡無しでいつでも入って構わない。だけど。
知らない女性とベッドに居たりしたらどうする?布団の中でゴソゴソしてたらどうする?俺と最初からずっと一緒に居た方が安心じゃないか?」

…信じられるのかって?

シンプルで…繊細で綺麗なデザインリング。いつ買ったの?
鍵にはサテンのリボンが結んである。…もう、この男。流石、出来る男ね。

「気持ちは即答したいけど、帰ってからにする。だから待って?夜まで」

「解った」

「神坂君の部屋で」

「うん」

…。

「指輪、凄く嬉しい…。有難う」

「うん」

…。

「ねえ?そろそろ離して?」
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