カミレンジャー! その4
「わかったよ…。」

 しかし、正直、後には引けない雰囲気だった。

 これ以上引いたら、さすがに殺されるような気がした。

 青山は仕方なく、カミレンスーパーカーに乗り込むと、ギアを入力する。

「カミレンチェーンジ!」

 変形完了。

 現れるのは正義の巨人カミレンロボ。

 対峙するは悪の化身、ワイルダー…と思われるジャングルジム

 しかし…。

「あの…私、白山さんに挨拶を…」

 カミレンロボを前にしても、まだオドオドが止まらないジャングルジム。

 えっと…そうだよね…。

 ジャングルジムにも人権はあるよね…。

 お葬式に出る資格ぐらいあるよね…。

「またイケシャアシャアと…そんなこと、私たちが許すはずないでしょ?」

 しかし、そんな迷っている青山を見てかどうかは、分からないが、カミレンロボの隣に、もう一体巨大ロボが現れる。

 ピンクが操るカミレディロボだ…。

 どこからか流れるBGMが相変わらず素敵な雰囲気を出している。

「えっと…えっと…。」

「あの…とりあえず、最後の挨拶ぐらいさせてあげたらどうでしょう?可愛そうです。」

 っていうか、今回のジャングルジムはいつになく、いい人だぞ。

 いつもみたいに、ノリで倒しちゃ可愛そうな性格しているぞ…。

「くぅ…よりにもよって、ブルーを懐柔するとはやるわね…しかないわ。それぐらいは、許してあげるわよ!」

「あ…ありがとうございます。…それでは…。」

 律儀にジャングルジムはお辞儀をすると白山さんの家の前に立つ。

 う~ん…一般的な民家の前にジャングルジムがたつ。

 シュールもここまでくると、ワケが分からないな…。

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